科学的エビデンスに基づいたトレーニングをしよう!【野球のための筋トレ】

最近、日本では【野球の筋トレ】が話題になっています。

2017年の夏の甲子園でホームラン新記録(通算68本)が出たのも、高校野球でも筋トレがうまく取り入れられていることが理由のひとつだと思います。
ただ、「筋トレ」というと「筋肉を鍛える」という意味で、日本では「ボディビル」のイメージが強いでしょう。確かにボディビルのためのトレーニング方法はありますが、筋トレはボディビルだけではなく、もちろん野球のためのトレーニングにもなります。

例えば、ボディビルは見た目のために筋肉をつけることを目的としています。例えば、ボディビルは見た目のために筋肉をつけることが目的ですが、パフォーマンスを上げるための筋肉は目的が全く違います。

« 必要のない筋肉をつけるのは邪魔だ « というコメントをメディアでよく耳にします。私は、必要のない筋肉などないと考えていますが、当然のことながら、自分のスポーツに適していないトレーニングをしても、パフォーマンスは向上しません。

では、野球選手にはどのようなトレーニングが適しているのでしょうか。
今回は、現役の野球選手(高校・大学・プロ)を対象に、ニコ道場で行っているオフシーズンのトレーニング方法をご紹介します。

1)「野球をするときの筋肉のエネルギー源」です。


例えば、車のエネルギー源はガソリンですよね。
筋肉の場合、そのエネルギー源(収縮)はATP(アデノシン三リン酸)という化合物です。
このATPを供給する物質には3種類あります:

  • クレアチンリン酸(CP)系
  • 解糖系
  • 酸化系

2)「運動強度に応じた筋肉のエネルギー源」です。

  • クレアチンリン酸:超高強度(ボールを打つ、投げる、走塁するなど)、約6秒で使い切る。無酸素運動。
  • 解糖系:高強度(3安打やランニングホームラン)、約6~40秒使い切る。無酸素運動。
  • 解糖系+酸化系:中強度(400mや800mを走るとき)有酸素運動。
  • 酸化系:低高度(マラソンをするとき)。有酸素運動を行う。

さて、これを野球に当てはめてみましょう。
打撃、守備、走塁などの動作は6秒以内で行われるため、筋肉は呼吸をしていないので、エネルギー源としてクレアチンリン酸(CP)を使います。

投手の場合も、運動量が多いと思われるかもしれませんが、実際には1球を投げる動作は1秒もかからず、1球の間に十分な時間があるので、CPは回復に役立ちます。

したがって、野球のパフォーマンスを向上させるためのトレーニングについては、無酸素運動であり、クレアチンリン酸を使用するトレーニング方法を優先的に行うとよいでしょう。


野球の試合のエネルギー源[i].
 ✓ 80%はクレアチンリン酸(CP)でできています。
 ✓ 15%は炭水化物によって使われます。
 ✓ 5%は酸素によって使われます。


さて、「クレアチンリン酸を使ったトレーニング」とは、どのようなものでしょうか?

a) レジスタンストレーニング

瞬発力を強化するためには、レジスタンス・トレーニングが有効です。簡単に言えば、重い重量のバーベルを持ち上げたり、引き上げたりする行為です。 »パワー « という能力を強化することが重要です。
日本語ではわかりにくいかもしれませんが、 »フォース « と « パワー « は別の能力です。
例えば、トレーニング用語では、 »フォース « は「何キログラム持ち上げられるか」を指します。 »パワー « は、スピードのことです。例えば、「どれだけ速く持ち上げられるか」ということです。
この公式を知っていますか?
瞬発力(P:パワー)=力(F:フォース)/時間(T:タイム

瞬発力を強化するためには、 »力 « を強化し、 »時間 « を短縮する必要があります。ニコ道場では、パワーリフティングのBIG3(ビッグスリー)を使って「力」の能力を強化しています。
BIG3とは?

  • ベンチプレス(およびそのバリエーション
  • デッドリフト(またはバリエーション
  • スクワット(およびそのバリエーション

b) ランニング

日本では、野球のトレーニングの一環として「走り込み」が伝説となっています。

走り込みの目的は何かと問われれば、「下半身を鍛えるため」と答えます。確かに、ランニングは足を使う運動です。そのためか、「走り込み」=「下半身を鍛える」と思われがちです。しかし、野球のエネルギー源という観点から考えてみましょう。

約6秒を使い切る運動として、短距離走があります。陸上競技の短距離なら100mですが、野球の場合は30mくらいでしょうか。あるいはスタートだけでもいいかもしれません(10mもあれば十分です)。
この距離を走るということは、非常に高い強度で走るということです。したがって、10m~30mの短い距離を走っても、下半身のトレーニングにはなりません。

下半身を鍛えるということであれば、実はレジスタンス・トレーニングが最適なのです。一方、長い距離を走ることは、野球のエネルギー需要に反するので、できるだけやらないほうがいいでしょう。

野球は持久力を競うスポーツではないので、持久力と瞬発力は相反する能力であることを念頭に置く必要があります。日本では、例えば「うさぎ跳び」がなくなったように、科学的根拠が乏しい(あるいは効果がない)トレーニング方法が実際に行われていることが多い。以下の論文は、野球の長距離走も実はその一つであることを証明しています。

自分のトレーニングが効果的でないと思っている人は、その方法自体を見直すべきかもしれません。
今回は野球を事例にしましたが、実は他のスポーツ(プロスポーツ選手)のトレーニングでも同じようなことがあるのです…。あなたも、本当の科学的根拠に基づいたトレーニングをしてみませんか?


※ 高校3年生からニコ道場で通っている徳島インディゴソックスの楢崎塁投手がプロ初登板で150キロを出しました。彼は天才でもありますが、この加速は練習ももちろんですが、でもジムで作られているのもあります。

※ ニコ道場では、様々なスポーツに応じて、トレーニング指導を行っています。ご関心のある方は、お問合せ(Contact)からお気軽にお問合せ下さいね。

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